イライラは疲労のサイン!カルシウムとイライラは関係なかった!

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私達の体は食物などから様々な栄養素を摂取して、体を動かすためのエネルギーを作り出したり、体の調子を整えたり、筋肉や血液などを作ったりしています。
人間の生命活動のために必要な栄養素は、タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルなどに分類されており、例えば体を作っているのはタンパク質です。エネルギーになるのは脂質や炭水化物です。そして体の機能を正しく維持するのがビタミンやミネラルです。

健康な体や健やかな精神を維持していくためには、全ての栄養素をバランスよく取り入れなければなりません。近年では食事以外でもサプリメントやドリンクなどで特定の栄養素を摂取することができるようになっているので、栄養のバランスも意識しやすくなっています。ですがそんな中で、ミネラルの1つであるカルシウムは栄養バランスを意識しやすい時代にも関わらず、不足しがちな栄養素となっています。

カルシウムと言えば、骨や歯の成分であり、特に成長期の子どもには欠かせない栄養素です。カルシウムが不足すると特に女性は骨粗しょう症に陥ってしまう原因にもなってしまいます。またカルシウム不足=イライラとイメージする人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、カルシウム不足とイライラにはどんな関係があるのか?カルシウム不足が続くとどんなことが起こるのかなど、カルシウムと私達の体の関係について紹介します。

  • イライラとカルシウム不足は関係なかった!
  • 自律神経が疲れるとイライラとなって現れる
  • カルシウムが不足すると骨粗しょう症の原因になってしまう

イライラするのはカルシウムが不足しているからじゃない

イライラしていると、「カルシウム不足では?」と言われてしまうことがあります。またイライラを改善するためにカルシウムを意識して摂取するということもあるでしょう。ですが実は、イライラするのはカルシウムが不足しているからと心配することはありません。

なぜイライラするとカルシウム不足と言われてしまうの?

ではなぜイライラとカルシウム不足はセットでイメージされるようになっているのでしょうか。考えられる理由としては、カルシウムの役割についてです。カルシウムは多くの人が知っている通り、骨や歯などの材料になります。ですがこの他に、カルシウムには筋肉の収縮や神経の情報伝達にも使われています。神経の情報伝達の機能にカルシウムが関わっていることで、カルシウムが不足するとこの機能が正常に働かずにイライラするのでは?というイメージが根付いてしまったのではないでしょうか。

イライラしてもカルシウム不足を心配する必要はない

体内にあるカルシウムのうち、神経の情報伝達に使用されるカルシウムの量は全体の約1%程度です。血液中に溶けているのですが、ここでカルシウムが不足しても骨などに蓄えられている残りの約99%のカルシウムから応援が向かうようになっています。ですから、この部分でカルシウムが不足するとは考えにくいですし、さらに言えば、例えば私達の体内のカルシウムの総量は体重の約2%です。例えば、体重60kgの人のカルシウムの総量は、1.2kgです。このうちの約1%が神経の情報伝達に使用されているとすると、その量はわずか12g程度になります。このカルシウムの量はスライスチーズ2枚程度に含まれる量です。もちろんチーズ以外にも、魚を中心に野菜や加工品、チーズ以外の乳製品などにもカルシウムは含まれているので、一日12gのカルシウムが不足したからと言って、神経情報伝達の機能が上手く行かずに、イライラするとは考えにくいのではないでしょうか。

イライラは疲れのサイン!

カルシウム不足がイライラに関係しているとは考えにくいことがわかりました。ではなぜ私達は、仕事が忙しかったり、人間関係で上手く行かない時などにイライラしてしまうのでしょうか。

イライラするのは自律神経が疲れているから

イライラするのは自律神経が疲れているからです。自律神経が乱れていると言われることもあるのですが、自律神経はもともと私達の体内で、内蔵を動かしたり、血液を流したり、栄養を吸収したり、私達の意思では出来ないことをコントロールしています。自律神経は、交感神経と副交感神経の2つから出来ており、この2つが上手くバランスを保つことで体の健康だけではなく、心の健康も維持することができます。ですが自律神経が乱れて交感神経が優位になってしまうことで、外からの刺激に敏感になってしまい、ちょっとしたことでイライラしたり、情緒不安定になってしまいます。

自律神経のバランスが崩れると疲れやすくなる

自律神経のバランスは日常のちょっとしたことで崩れてしまいます。そして自律神経のバランスが崩れたままの状態が続くと疲れやすく、体を休めてもなかなか疲れが取れないようになってしまいます。
自律神経の乱れと疲労の関係は、まずストレスを感じることで交感神経が優位になります。そうすると緊張状態が続き、筋肉が硬くなり、血液の流れも悪くなってしまいます。血行不良が続くことで栄養や酸素などが体の隅々まで行き渡らず、体外に排出する老廃物も溜まってしまうことになります。体の回復や新陳代謝が上手くいかなくなると、疲れやすくなったり、疲れが取れないようになってしまいます。

自律神経を整えて疲労を回復しよう

自律神経が乱れて、疲れやすくなっている場合には、まずは自律神経を整えることが大切です。ではどうすれば自律神経を整えることができるのでしょうか。答えは簡単です。自律神経のバランスが崩れている時のほとんどは交感神経が優位になっているので、副交感神経が優位に来るように意識した生活を送ります。具体的な方法としては、

・38℃から40℃ぐらいの、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かる
・眠りの質を見直す
・食事をする時はゆっくりよく噛んで食べる
・ストレッチやマッサージをして体の筋肉をほぐす

などです。眠っている時やリラックスしているとき、休息している時、食事をしている時などに働くのが副交感神経なので、交感神経の働きを0にするということは出来ませんが、出来るだけ副交感神経が働くようにすることで、交感神経と副交感神経のバランスを上手く保つことができ、イライラや疲れなどを解消することが出来ます。

イライラとは関係ないけどカルシウムの摂取は意識しよう

カルシウム不足とイライラは関係がないので、カルシウムの摂取は特に気にしなくてもよいというわけではありません。カルシウムは日本人に唯一足りない栄養素とも言われており、カルシウムが不足することで体が十分に成長しない、骨や歯が弱くなる、高血圧や動脈硬化などの成人病に関係することがあります。

日本人は慢性的なカルシウム不足に陥っている人が多い

食べ物に溢れ、いつでも好きなものを食べることができる飽食の時代と言われる現代の日本でも、慢性的なカルシウム不足に陥っている人が多いです。
厚生労働省が推奨する、日本人の一日あたりのカルシウムの推奨量は600㎎から800㎎となっているのですが、ほとんどの日本人が推奨量を下回っており、カルシウム不足が懸念されています。食生活の変化や日本の土壌にはカルシウムがあまり含まれていないことから、野菜や飲水などからカルシウムを摂取しにくいなどがカルシウム不足の理由になっています。

カルシウム不足は骨粗しょう症の原因になってしまう

カルシウム不足が慢性化することで最も怖いのが、骨粗しょう症の危険性です。カルシウムが不足すると骨の密度がスカスカになり、強度が低下してしまいます。くしゃみや咳をしただけで骨折をしてしまうようになってしまい、骨粗しょう症になると背骨や足の付け根の骨などが折れやすくなってしまうので、最悪の場合には介護が必要になってしまうこともあります。骨は私達の体や日常での活動を支える大切な役割を持っており、骨に必要なカルシウムを意識して摂取するのは、将来の骨粗しょう症を予防する意味でもとても大切なことです。

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