
スポーツ選手に起こりやすいと言われる疲労骨折。そして、日常生活の中で疲労骨折を起こしやすいタイプは男性ではなく、実は骨粗鬆症や無月経、摂食障害になっている女性といわれています。
- 過度なトレーニングを行うことで起こりやす疲労骨折は骨が折れるわけではない
- スポーツ選手だけでなく疲労骨折を引き起こす可能性はあり、日常生活の中にリスクが!
- 疲労骨折の治療の基本は安静。完治期間はだいたい3週間から12週間ほど必要
Contents
スポーツ選手に起こりやすい疲労骨折とは?
骨折と聞くと多くの人は骨がポキッと折れるものを想像するのではないでしょうか。ですが疲労骨折の場合は外傷もなく、骨折として発見しにくいものになります。
なぜスポーツ選手に疲労骨折が多いのか?
スポーツ選手に多いと言われる疲労骨折。これは、何度も同じ箇所に負荷をかけることで徐々に骨折が進行していくもので、同じ動きを徹底して練習などで行うことが多いスポーツ選手に起こりやすい症状です。また、初期の場合は激しい痛みなども特にはなく症状を認識しにくいことから、発見した時には既に折れていたなんてケースも多いのです。疲労骨折を起こしやすいスポーツと言われるのがサッカーやバスケットボール、バレーボール、長距離走、跳躍系の体操などです。
疲労骨折は過度なトレーニングだけではなく日常生活の中にもリスクが潜んでいる!
スポーツ選手に起こりやすいと言われる疲労骨折ですが、日常生活の中で疲労骨折を起こしやすいのが骨粗鬆症や無月経、摂食障害になっている女性です。
骨粗鬆症の場合
明らかな怪我をしていないのに日常生活の中で発生するのが骨粗鬆症性疲労骨折です。背骨や手首、足の付け根や腕の付け根などがこの疲労骨折では骨折しやすい部分となるのですが、年齢とともに骨量が減少したことで骨の密度がなくなっていることで日常生活程度の負荷にされも耐えることができずに骨折してしまうのです。女性ホルモンの減少と骨密度が深く関係していることから比較的高齢の女性に多いのが骨粗鬆症です。
無月経の場合
無月経の症状は皮下脂肪などをできるだけ落とさなければならない女性アスリートに見られるもので、無月経が続くことで女性ホルモンの分泌が低下してしまいます。女性ホルモンの一つであるエストロゲンが減少すると骨密度が低くなってしまい骨粗鬆症を引き起こしてしまいます。
摂食障害の場合
ダイエットにのめり込むあまりに食事が取れない状態に陥り拒食症や過食症を繰り返してしまう場合があります。摂食障害に陥ることで無月経となり、無月経に陥ることで骨粗鬆症となると疲労骨折を引き起こしてしまう可能性が高くなります。無月経も摂食障害も結局のところは骨粗鬆症に繋がります。これは無月経や摂食障害によってホルモンバランスが崩れることでタンパク質の代謝が上手く行かずにカルシウムが流出してしまい骨密度が低下するからです。そして骨粗鬆症が進むことで日常生活の中で疲労骨折を起こしてしまいやすくなるのです。
疲労骨折の初期症状とは?治療の基本は安静って本当?
疲労骨折はなかなか初期の段階では気づきにくいものですが、症状が全くないわけではありません。
疲労骨折の特徴って?
「患部のはれ・動かした時だけ痛む・痛みがないのに膨張している・足の甲が痛む・レントゲンを撮ってもわからない」などこれらの特徴はスポーツ選手に見られる疲労骨折の初期症状です。スポーツをしていないという人でもいつもと違う違和感などを感じたらできるだけ早く病院を受診するようにしましょう。進行することで本当の骨折に繋がることが多くあります。
疲労骨折の治療法って?
疲労骨折の治療は通常の場合であればギブスや装具などをつけずに安静にして栄養療法が中心になり、完治期間はだいたい3週間から12週間ほど必要になります。完全に骨折している場合はギプスや装具などを使用し、栄養療法を併用していきます。そして大腿骨や頚椎の場合は外科的手術が必要となる場合もあります。
骨粗鬆症を予防するには
高齢の女性に多いとされる骨粗鬆症ですが、女性は閉経後に急激に骨密度が低下します。高齢になってからも十分な骨密度を保つためには閉経前から積極的なカルシウムの摂取が必要不可欠です。また適度な運動をすることで骨の代謝が盛んになるので骨そのものを強くすることが出来ます。無月経や摂食障害は骨粗鬆症を引き起こす前に専門医に相談をして治療を進めるようにしましょう。