寝坊が疲労回復に効果的?寝溜めは意味がなかった!

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睡眠時間は人生の一部であり、人生の1/3は睡眠で占めていると言われています。人が80歳まで生きるとすると、そのうち20年から25年ぐらいは睡眠に使っているのです。
そんなに長いのであれば、少しぐらい削っても問題はないだろうと思ってしまうのですが、そういうわけにはいきません。睡眠には大切な役割があり、体も心も健康な毎日を過ごすために、疲労回復やストレス解消、体の成長や免疫力の向上など、この他にも様々な役割を持っています。

睡眠に関する話題になると、理想の睡眠時間や何時間寝ればいいのかなど議論されることがあります。歴史上の偉人の中には睡眠時間が極端に短いショートスリーパーがいたり、よく眠るロングスリーパーがいたり、一体何時間眠ればいいのか?自分に最適な睡眠時間は何時間なのか?と疑問に思う人も多いのではないでしょうか。

そんな中で、疲れることを予想して寝だめをしようと考える人もいます。先に眠っておくことで疲労を軽減しようという試みですが、果たして本当に効果はあるのでしょうか。そこで今回は疲労回復と睡眠の関係や寝だめの効果について考えてみましょう。

  • 朝寝坊をすると効果的に疲労回復ができる
  • 疲労回復因子は疲労因子が発生しないと分泌されないので寝だめは意味がない
  • どこでもすぐに眠れるのは疲れているからだった

寝坊することで疲労回復が出来る!?

まずは睡眠と疲労回復についてです。疲れた日は早く家に帰って寝たいと思うことがよくあります。私達は毎日睡眠を取ることで体を休めるだけではなく、脳を休めて疲労を回復しています。ですが、仕事などで忙しい平日はなかなかゆっくり睡眠を取ることができず、効率的に疲労を回復することができません。朝起きても疲労感が抜けないまま仕事に出かけることもあるでしょう。そこでゆっくり睡眠を取ることができる休日を利用して疲労回復をしてみてはいかがでしょうか。

疲れている時は目覚まし時計をかけないでゆっくり起きよう

遅刻の理由で寝坊と聞くとあまり良いイメージはないのですが、休日に寝坊をすることで疲労を効率的に回復することができます。一般的には、週末に寝坊をして体内時計が狂ってしまうと、週明けが辛くなると言われることも多いのですが、計画的に寝坊をすることで疲労回復にプラスに働きます。疲労回復のための計画的な寝坊にはいくつかの条件があります。まずは前日の金曜日の夜です。翌日に寝坊が出来るからと言って夜更かしをしてしまうのはNGです。体内時計が狂ってしまい、睡眠のリズムが乱れてしまいます。早めに仕事を切り上げて、遊びに行かずに早めに就寝するようにしましょう。この時に目覚まし時計はセットしません。本能のままに眠ります。平日の起床時間に2~3時間プラスして眠ることで一週間で溜まってしまった疲労を回復することができます。

とは言っても午後まで眠り続けると逆に疲れてしまう

金曜日の夜に、早めに就寝することで午後まで寝続けることはほとんどないでしょう。ですが、中にはダラダラと昼過ぎまで寝続けてしまう人もいます。計画的な寝坊にとって午後遅くまで眠るのは、よいことではありません。ダラダラと眠ることで、その日の夜に眠れなくなってしまい、翌週を睡眠不足で迎えてしまうことになってしまいます。寝坊をするぐらいでは疲労が取れないほど疲れていて、長時間眠りたい場合には寝坊をするのではなく、いつもより早めに就寝をして眠る時間を長く取るようにしましょう。

「疲れる」予定があっても寝だめはNG

来週は会議が続いて帰りが遅くなるので睡眠時間が削れてしまうから、資料の作成で疲れそうだからなど、疲れることを予想して、前日までに寝だめをしようという人がいます。睡眠不足や疲れを予防する意味で寝だめをするのは意味がありません。お腹が空くことを予想して食べ溜めをしておくことはできますが、一時的なものであり、一週間分の食事を一日で摂取したからと言って残りの6日間を無食で過ごすことが出来ないのと同じように、人間は寝だめをすることはできません。

疲労が溜まっていない状態で寝だめをしても意味がない

というのも、睡眠によって疲労を回復することができるのは、疲労が溜まっているからであり、疲労がない状態の体や脳をいくら休めても、何も得ることはできないのです。肉体疲労や精神疲労の原因として存在するのが疲労因子であるFF(ファティーグ・ファクター)です。このFFは激しい運動をして細胞が傷ついたり、退屈な時間を過ごさなければならない時などに体内で発生します。FFが発生することで脳は疲れを感知し、体の細胞の機能が低下すると疲れを感じるようになります。

これに対して、疲労を解消する疲労回復因子をFR(ファティーグ・リカバー・ファクター)と言います。FRが発生することで細胞を修復し、FFを除去して疲労を回復するのですが、FRが発生する引き金となるのがFFの存在です。FFが発生しなければFRも発生することはありません。疲労因子と疲労回復因子の関係からも、疲労がなければ疲労回復をすることができないということがわかります。

週末を使って効率的に疲労を回復する方法とは

計画的な寝坊のやり方と寝だめは出来ないことを知って、週末を使って効率的に疲労を回復する方法をまとめると、

・金曜日の夜は早めに就寝する
・目覚まし時計をかけない
・寝坊をするとは言っても平日の起床時間に2~3時間プラスした時間に起きる
・日曜日の朝も目覚まし時計に頼らずに軽く寝坊する

これだけで、土日を利用して疲労を効率的に回復し、翌週の始まりを元気に迎えることができます。

どこでもすぐに眠れるのは特技じゃなかった!

どこでも眠れる、すぐに眠れる、これは特技だ!と思っている人もいるのではないでしょうか。中には布団に入って1分も経たないうちに眠れる!という人もいたりするので、枕などの寝具が変わると眠れない人や普段から寝付きが悪いという人からすると、とても羨ましく感じるのですが、実は特技でもなんでもありません。いつでも、どこでも眠れるという人は睡眠不足に陥っていたり、脳の疲労が強い可能性があります。

十分な睡眠と疲れが取れていないとどこでも眠れるようになる

朝、職場に通勤するために利用する電車やバスの中で、すでに眠たいという人はいませんか?朝起きて4時間ほど経っているのに眠たい、眠れるという人は、睡眠不足の可能性があります。そして特技だと思っていることで、睡眠不足の自覚がないまま生活をし、疲労をさらに溜め込んでしまっているのです。中には、十分な時間を睡眠に当てているという人もいるでしょう。睡眠時間が長ければ長いほど疲労を回復することができるわけではありません。逆に寝すぎることで、体内のリズムが狂ってしまい、脳の働きも鈍くなってしまいます。ホルモンバランスや自律神経のバランスも崩れてしまうので、疲労を回復するどころか、疲れやすくなってしまいます。ですから睡眠時間は6時間~7時間程度にとどめておきましょう。

6時間~7時間、毎日しっかりと寝ているのに睡眠不足が疑われる場合には、眠りの質を改善しましょう。眠りの質が悪ければ、どんなに長時間睡眠を取っていても睡眠不足になってしまいます。寝ているのに、朝起きた時にスッキリしない、いつまで経っても目が覚めず、日中でもいつでもどこでも眠たい場合は眠りの質を疑ってみましょう。眠りの質を悪くしてしまう原因としては、就寝前のスマートフォンやパソコンの使用、カフェインやアルコールの摂取、遅い時間帯の食事、就寝時間が毎日決まっていない、寝具が体に合っていない、ストレスを溜め込んでいるなどがあります。またはいびきが原因で眠りの質が低下している場合もあります。普段の生活の中で思い当たる原因がある場合には、すぐに見直して眠りの質の改善を意識してみましょう

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